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カナダの源流 FlyFishing 〜 岩森仰史 (Takashi Iwamori) 〜
岩森仰史 (Takashi Iwamori)について 「ドリーバーデン」イワナ好きの私は、結局どこへ行ってもいつの間にか彼等を探してしまう習慣が有る様です。イワナ類はどうもイメージ的に「のろまで鈍くさい」とか 「影さえ映さなければ誰でも釣れる」とか「ドライへの反応が鈍くつまらない」とか「ファイトはジャンプもせず潜るばかり」、などなど…。 例外があるとは言え、どれも確かに思い当たる節が多々あり、残念ながら一般的にアングラーからは余り歓迎されていない様に思われます。 北米ではドリーバーデンがそれに相当します。生息分布の広いこの魚は、良く知られている通り学術上は日本のオショロコマと同一で、 スティールヘッドやサーモンのついでにしばしば釣れるのですが、この脇役をメインに狙おうとすると思いのほか釣れないものです。 それにしても、北海道・知床のオショロコマとカナダのドリーバーデンの魚体を見て比較するとまるで別の種類の様に思えてなりません。 「その釣り方」 カナダのブリティッシュコロンビア州は至高のトラウト、スティールヘッドの聖地だけに、レギュレーションも厳格です。例えば「フライフィッシング」は定義上、 スプリットショットなど錘類の使用は禁止されています。シングルバーブレスフックはストリームでの原則となり、他のルールやマナーも尊守されています。 その範疇でドリーバーデンを狙う訳ですが、まず彼等の分布を見てみると、主に氷河を水源とするフリーストーンのロッキーな河川に生息しています。 釣り方はスティールヘッドに準ずるとして、ポイントは少し水深のあるプールの岩陰や流木など、ストラクチャーの入っている所が良く、サイズも良型が釣れます。
源流付近では棚状に形成される各プールに生息し、夏季には日本のイワナと同様に白泡の下や抉れた岩陰なども好む性質です。沈めるフライは、グリンドレイクニンフ、ストーンニンフ、カディスラーバ、ビーズヘッドニンフ各種、詳しくはこちらを御参照下さい。 また、遊び心を刺激するテレストリアルは、真夏の源流に特にお薦めです。これらのフライを5〜6種類づつボックスの隅に忍ばせておくと、 いざと言う時に思わぬ魚に出逢える可能性も高まります。 「意外に美しい魚達」 鈍重、悪食、のろま。人里離れた河川の最も美しい上流部に住みながら、ちょっと不器用な為に酷評されるこの魚を見ていると、少し可哀想な気がしてなりません。 どことなく間の抜けたところなど、何だか自分の姿を鏡映しにしているようで、憎めません。それに良く魚体を見てみると、冷たい水に研ぎ澄まされた美しく透き通った目、 奇麗な鰭、斑紋。印象はちょっと地味ですが、実際には、なかなか美しい魚です。 春先、サーモンの稚魚を飽食してエネルギー全開の強烈なアタックには誰もがきっと驚かされる筈です。真夏には渇水した源流の小さな流れから飛び出す大型に目を見張るに違いありません。 秋にはベリー全体が朱色の美しい婚姻色に染まり、季節の移り変わりを感じさせてくれます。 カナダを代表するスティールヘッドは個体数の少ない究極のトラウトフィッシングですから、当然それなりに難しくもありますが、ローカルの私にしてみると四季を通してほぼ一年中釣る事ができる日常的な魚です。
一方、源流近い山岳渓流のドリーバーデン釣りは真夏に限ります。民家はもちろん人工物の一切無い自然あふれる釣り場は、沢音を運ぶ涼しい風や、樺の木の葉の緑まで艶やかに五感を擽ります。
イワナ系大好きの私としましては、より多くのフライフィッシャーの皆さんに、少しずつでもこの美しい渓流魚を好きになって貰えれば嬉しい限りです。「これから海外に出られる皆さんへ」 さて、「君の年齢で…」と諸先輩方にはお叱りを受けそうですが、最近、私は自分の残りの寿命と、あと何年イワナ釣りが出来るのかな?などと考えて、その数字の少なさに虚しく寂しくなる事があります。 ニュージーランド、カナダ、ロシア、ヨーロッパ、パタゴニア、etc…、皆さんも行ってみたい川、釣ってみたい魚、住んでみたい国が、現実問題を抜きにすれば沢山あるのではないでしょうか。 釣りに於いて各々がそれぞれに好みの釣りが在る様に、生活に対する価値観も各々が千差万別な筈です。 もし貴方が海外で釣りをしながら生活して行きたいと願い、ほんの少しだけ寝食を惜しまない努力が出来るならば、きっと夢は手に入れる事が出来ると思います。 やりたい事を出来る時にせず、「いつかまた今度…」と先送りにしていると、そのチャンスは生涯二度と巡って来ない様な気がしてなりません。いつの日か皆さんと、どこかの国の美しい川で御一緒出来ましたら幸いです。 岩森 仰史 最新のコラム: ボーンフィッシングの夢〜オアフ島の夏(後編) 〜 池上彰 (Akira Ikegami) 〜 過去のコラム: ボーンフィッシングの夢〜オアフ島の夏(前編) 〜 池上彰 (Akira Ikegami) 〜 銀座のカスタムロッドメーカー"ARTIST" 宮坂雅木さんとの出会い 〜 池上彰 (Akira Ikegami) 〜 私がフライフィッシングをやめた訳 〜玉置浩一 (Tamaki Koichi) 〜 The 24th Annual World Fly Fishing Championship and Conservation Symposium 〜 石村美佐子 (Misako Ishimura) 〜 カナダの源流 FlyFishing 〜 岩森仰史 (Takashi Iwamori) 〜 こんな釣りもあり?カナダ、ブリティシュコロンビア(BC)のフライフィッシング 〜 マット鈴木 (Matt Suzuki) 〜 ギャラティンを訪れて 〜 池上彰 (Akira Ikegami) 〜 |
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